多くの中小企業においては、実地棚卸を毎月は実施できていないのではないでしょうか。そのため、従業員が在庫を勝手に廃棄するなど、経営者の見えないところで無駄な仕入が発生していても気づくことができず、それが同業者との粗利率の差として表れています。

一方、優良企業においては、実地棚卸を毎月しっかりと行って帳簿との差を認識し、帳簿と実地の金額を一致させるべく常に「管理レベル」を上げています。

このように実地棚卸を行うことで、従業員一人ひとりが在庫をしっかり管理し、無駄を発生させないという意識を持てるようになります。さらには、「先月の仕入が適正だったか」など、自らの行動を振り返って反省し、改善につなげていくことも可能となります。

つまり、従業員が「在庫のネジ1つも無駄にしない」という意識を常に持ち、365日毎日コツコツと積み重ねることで、決算において粗利率の差となって表れるのです。この繰り返しで、組織の管理レベルが上がっていき、無駄な仕入が減り、同業者との「粗利率の差」が生まれてくるのです。